2022年Amp電気工事業界予報 「脱炭素投資と再エネ投資」
明けましておめでとうございます。
Ampを主宰する藤田勝彦です。
すばらしい電気工事業界の魅力を世の中につたえるのが仕事です。 兵庫県で電気工事会社を経営しています。
去年はAmpをスタートした記念すべき年となり、ワクワクしながら新年を迎えることができました。 新たな年を迎え2022年業界として何に注目していけばいいのか、「Amp的業界予報」としていくつかのキーポイントに触れておくことにしました。
受信感度は人それぞれ
ここ2年半コロナや材料供給問題が発生したりして、今までの常識をなんとなく続けていくような世の中で無くなったと思います。
この変化をどのくらいの感度で受信するかは、本当に人それぞれだなあと。 私は今回の色々は、いつか通りすぎる台風ではないと考えています。 自社もそういう世の中に合わせたサービス提供に大きく転換しようと、準備していますが、私の中では今までで最も大きな変革になると考えています。 スタッフも含め今あるリソースでそれを行う意味でも様々乗り越えていかなければならないハードルもありますが2022年を逃してはもう次はないと思っています。
より鮮明になったこれから残っていく会社
これから生き残っていく会社は、社長が勝手に考える価値ではなくて、世の中における価値を高めることをしている会社だと思います。
単純なコストを圧縮することだけが、利益を生み出すモデルになっている仕事、取引先、会社の形態は、これから会社として存在する意味のない世の中になるかもしれません。
私たち電気工事業界もそういった大した価値を生まないお客様、取引先を見きわめて、取引シェアを減らすなどして先の防衛をしておいた方が良さそうですね。
気にしておきたいこと3つ
① 材料供給不足問題
② 再生可能エネルギー投資
③ 脱炭素投資
材料供給不足問題をどう考えるか。正反対分野でリスクヘッジ。
これについては皆さまご存じのように様々な要因が重なって発生しているので、いつこの混乱が収まるのか全く不明としか言えません。 ただ言えることはこういった状況(材料価格高騰も含め)はこれからもだれかの思惑でおきるし、大きく製造原価を圧迫する出来事が必ず出てくることを前提に経営しなければならないという学びになったと思います。
幸いにも電気工事という分野は大変広く解釈できるし、特に昔から受け入れる側(お客様)も「電気」とつけば何でもできると思ってくれているので、企業と個人、強電と弱電、電気とITといった一見正反対にあるような分野に少しでも手を広げておいて少しずつ柱にしておくことがこれからのリスクヘッジではないかと感じています。
電気工事会社の場合規模が大きくなればなるほど、選択と集中という意味で当然ながら一つの分野に集中した経営になっていくものですが、小企業・中企業であれば、地域という見方で柔軟に様々な分野に対応しているのではないでしょうか。 そういった部分をさらに意識して活動すれば、今の時代に合ったリスクヘッジになりますでしょうし、大手企業にはない魅力になるかと思います。
再生可能エネルギー投資は業界に利益をもたらすのか
岸田総理が2兆円レベルの送電設備への投資指示を行ったとのことですね。もちろんこれからの脱炭素ソリューションの切り札である再生可能エネルギー、その中でも太陽光発電設備は自家消費需要の再燃の雰囲気もあります。
私は自家消費太陽光発電設備は当然伸びていくと考えておりますが、電気工事会社の利益につながっていくのか少し慎重になっているところはあります。 これについてはお客様の導入の決断に絡むものが多いのでよく整理しておく必要があるし、単純な導入はすぐに照明のLED化工事と同様に価格比較でしかないものとなってくると思います。
パネルや機器についてももう需要に合わせて高くなってきてます。 お客様にとって、新電力から再エネを置き換え購入するのとそんなに変わらないレベルだと、わざわざ太陽光発電設備を導入する意味もないし、お客様にとって意味のある提案にしなければ、今から2年くらいすると、価格のたたき合い的なものになっていくように思います。 それでも仕事があればいいという方もいらっしゃるのでそれも正解、コストを削減して利益を生みだすことが得意な人はそこでも利益をつくっていけるかと思います。 だだ置き換え購入の方が安くなってしまって、それと戦わせる段階に入ってくると・・・もう工事代を削減するしかないので、取り組みには慎重になってしまいます。
脱炭素投資は再生可能エネルギー投資とイコールではありません
再生可能エネルギー投資は脱炭素投資とイコールで考える方多いかもしれませんが、私は全く別物として捉えています。脱炭素に関わるものは自社だけでなく、サプライチェーン全体に完全リンクするため、自社(お客様)の太陽光発電の導入といった狭い視点の投資ではなく、投資の段階もあるし、それぞれの企業によってどう効率よく投資するべきかも違うし、そこに「人」も絡んでくるし、複雑な面があります。 複雑だからこそ、電気工事業界としては、ビジネスの機会も多く得られるかと思います。
となりの電気工事会社と戦う必要のない分野もたくさん隠れていますので2022年は通常業務をこなしながらも感度の良いアンテナを設置しておく必要があるかと思います。
脱炭素の本物化と本物ソリューションのセットが本丸で、自身で値決めできる強いビジネスだと思います。 両方セットがミソだと考えます。 電気工事業界はそれを提供できる、最も適した業界なので、明るい未来しかないと思います。
①明確由来脱炭素 ②グローバル基準での公開 ③優しさを基準にした「人」コミュニケーションとのバランス
この3点が脱炭素化のキーワードとなると思います。 正確な由来と有効な公開、脱炭素化によって人を傷つけないこと。 ここを電気工事会社として、お客様のサポートをすることがビジネスになるのではないでしょうか。
さらにはそれが、本来の電気設備インストレーション(導入)&ソリューションビジネス(解決)へと楽に展開していくことになります。 言い換えれば、 電気設備導入の理由づくり~導入まで全てを提案・提供できるかが勝負だと思います。
市場激変への準備最後の年
2022年は市場激変の準備最後の年と捉えています。 世の中が激変に向けて2022 年はかなりの速さで走り出すことになるでしょう。 コロナウイルスの落ち着きも、最低1年はかかるでしょうし、ここから今年しっかり準備をして2023~2025年までの間、良いビジネスをするという見方をしたいなと思います。
予報になっているのか???ですが、とにかく電気工事の業務の範囲を広げていくことがチャンス、リスクヘッジとなっていきますね。 だれかが作る仕事でも自分でつくる仕事でも風がある業界であることは間違いないので、あとはどううまく乗るかだと。
本当にありがたい業界です。
本年も電気工事業界のすばらしいところを沢山発信して参りたいと思いますので、2022年よろしくお願い致します。
最後までお読み頂いてありがとうございました。