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電気工事の人 「ペンチで語る業界未来会議」(前編)フジ矢株式会社さま

みなさんこんにちは、Ampを主宰する藤田勝彦です。

すばらしい電気工事業界の魅力を世の中につたえるのが仕事です。

兵庫県で電気工事会社を経営しています。

今回はみなさんのペンチサックに一度は差し込んだことがある、ペンチ、ニッパーのメーカー「フジ矢株式会社さま」にお越し頂いて業界のこれからについて色々お話させて頂きました。 工具をつくる人、工事をする人、共に業界のためにできること色々ありそうです。

フジタ :本日はAmpオフィスまでお越し頂いてありがとうございます。

オカムラ:本日は3人でこさせて頂きました!どうしても3人で来たかった理由がお話頂ければわかると思います。

●写真右から フジ矢株式会社[文面赤文字]

営業事業本部 マーケティング本部長 森田さん

営業事業本部 ビクター事業部 部長 岡村さん

営業事業本部 フジ矢事業部 次長 大西さん(元バリバリの刃つけ職人)

当初は私との1:1の対談でお願いしてたんだけどな~と思いつつ岡村さんの勢いに押されつつ。。。。

戸惑いながら、今回もなんとなく始まった「電気工事の人」。インタビューなのか対談なのか、もうどちらでも良くなってしまうほど熱気を帯びたトークがはじまりました。

自社だけでなくペンチ業界全体の発展への思いがつくる「循環」

モリタ :まず当社には「フジ矢」ブランド以外にVICTOR、WISEという二つのブランドがあります。 もともと同業だったんですが高い技術を誇りながらも、後継者がいないなどの理由で、当社がお引き受けするM&Aという形でフジ矢グループに加わることになりました。

VICTOR|作業工具メーカー (victor-kk.com)

ワイズ株式会社(WISE)のホームページ (niigata-honmono.jp)

フジタ :それは知りませんでした。

モリタ :当社の創業者が、日本で初めてペンチの量産を実現し、その仕様がそのままペンチのJIS規格として採用されたんです。

当時は創業者の考えで、自社事業の発展の為に力を注ぐ傍ら、同業者に対してJIS規格工場としてのラインづくりをはじめ、様々な製造技術を教えることで、自社だけではなく業界全体の発展のため貢献する活動をしていたと聞いております。

現在社長の野崎は51歳で3代目となります。 2023年には100周年を迎えます。

フジタ :創業者が同業者と共に成長しようと業界全体の発展のためにご尽力された結果、今になって吸収という形で、貴社のグループ全体の売上利益に貢献することになる循環が大変興味深いですね。 その業界で長くリーディングカンパニーであり続ける会社はそういう良い「循環」があるんでしょうね。 すばらしいなぁ。

フジ矢株式会社 (fujiya-kk.com)

プロフェショナル向けペンチ、ニッパ分野で業界をリードするトップメーカー

私たち電気工事の業界では知らない人はいない「フジ矢さん」です。 電気工事職人さんの中には異なるメーカーを好む方もいますが、日本ブランドとしては圧倒的なシェアを持たれています。

メイドインベトナムに誇りをもって米国、欧州へ

モリタ :現社長は「海外」にも目を向けている人で、リーマンショックの直前にベトナム工場を設立しました。 アジアだけでなくベトナム発米国、欧州マーケットへの販売を行っております。ベトナム工場へは日本本社でしっかり学んだベトナム人の職人が本社工場と同じ品質で作っていて、MADE IN VIETNUMに誇りをもって輸出をしています。

当社の社長はベトナムで日本と同品質の製品を製造する事で世界でも戦っていけると考えています。

フジタ :アッセンブルの一部だけ日本で行って、刻印を「MADE IN JAPAN」にするようなことでなくて、生産地域の技術を育てるという意味でもすばらしい考え方ですね。 創業の意思を引き継がれている部分も感じます。

モリタ :フジ矢のペンチ・ニッパの生産には必ず職人の手が必要です。 日本だけでなくベトナムでもペンチ・ニッパの職人を育成する事で生産能力は業界一を誇っています。

フジタ :リーマンショック直前にご決断され、そこからの時間と経験が今につながっているんですね。

実はペンチの「刃」って昔から変化してるの知ってますか

オオニシ: ペンチ、昔は「耐久性」重視だったんです。 言い換えれば刃が鈍角に設定されていました。 従って多少規格以上の電線を切っても傷まないようにしておりました。(雑に扱っても大丈夫)

今は「切れ味」重視で、刃は鋭角に設定されています。 さらには、昔のペンチって開きが重たかったんです。これもガタつきが起きにくいということで、長く使える仕様になっていました。 今では開閉のスムースさ重視で開閉を軽くしています。

それらはJIS規格とはならないのですが、お客様のニーズに合わせて変化させています。

今では偏芯タイプが主流になりつつあり工具の進化に規格が追い付いていないです(笑)

フジタ : おもしろいですねえ。 確かに昔実家にあった父のペンチは硬くて両手で一生懸命開いていたように思います。

「息子にはペンチ持たさないんですわ」

フジタ :父のペンチで思い出しましたが、父が20年以上前、同業者に私をさして、「息子にはペンチ持たさないんですわ」と言っていたのを思い出しました。 ドライバーじゃなくて、「ペンチ」なんだなあと。 まさにペンチは電気工事のアイコンなんだなと。

と言いながら、そうもいかず、モノマネレベルで電気工事は少しさせてもらいましたが、あんまり向いてないようです(笑)

前編はここまで

後編はフジ矢さん、工具をつくる側から業界の課題解決への取り組みなども交えたおもしろい内容になっています。

(今原稿まとめておりますので少々おまちください)

 

最後までお読み頂いてありがとうございました。