となりの電気工事会社と戦う時代ではない! 第二話
みなさんこんにちは、Ampを主宰するイーエンジニアジャパン代表理事 藤田勝彦です。
すばらしい電気工事業界の魅力を世の中につたえるのが仕事です。
兵庫県で電気屋さんを経営しています。
やっと気温も最高15度、コートなしで外出できるのが嬉しいです。 あとは、マスク無しになれば最高ですが・・・これだけは、まだ先ですね。
この第二話では「選ばれる提案をつくる」について書きたいと思います。
照明のLED化提案書はだれが、どのくらいの深さで見るのか。
電気工事業界のここ何年かは、提案書と言えば、国内発行部数NO.1 「LED照明への入れ替え提案書」です。
当然提案書内の明細には沢山のLED照明の品番や数量が記載されていますが、照明リニューアル事業を始めたとき、これ、お客様に提出して誰が読むのだろうかと思いました。 確かに明細があることで、「根拠があるんだな」は伝わるかと思いますが、それ以上の役割はないと思います。 提案書の目的「発注決定」を勝ち取るものではありません。
やはり、表紙に記載してある投資回収の部分しかお客様は興味ないと思います。 そして受け取った提案書を見てお客様が何を思うかと言うと「この内容を上司にどのように説明しようか」です。
上司に褒めれられる提案書しか残こらない。
お客様が、総務のご担当者だと想定すると、会社から照明の入れ替え、もしくは省エネ化の指令を受けて、提案書を受け取るに至っているかと思います。 その人の最も大切なことは、上司から褒められることです。 何社か相見積もりを収集していたとしても、単純に「上司に褒められる提案書」だけが残ります。
少なくとも、「怒られるかもしれない提案書」は採用しないでしょう。
●怒られるかもしれない提案書
①根拠が不明な数字・根拠が説明しにくい計算式などで作られた数値
②誤字脱字
③上司が理解しなきゃいけない分量が多い
④指示通り(対象エリアや照明の仕様など)になっていないかもしれない
上司に説明している最中に炎上するかもしれない要素が一つでもあれば、まず横におきますよね。
最低限これらの真逆のものにしておかなければなりません。
●残る提案書
①根拠が明瞭でだれにでもわかる計算式で作られた数値(多少アバウトでもよい正確さより分かり易さ優先)
②誤字脱字がない。
③上司が理解しなきゃいけない分量が少ない=「要するにこういうこと」が表現されている。
④お客様からの指示通りになっていることが一目瞭然になっている。
まずこの要素をクリアしたものにしておくことが重要です。
メーカーの提案書を利用するのは良いと思いますが、記載されている数値すべての根拠、数式は全て確認・納得しておくことが必要です。
お客様との打ち合わせした際の宿題事項・指示事項について一項目ごとに対応結果が見えるようしておくこともコツです。
残る提案書から採用される提案へ。
さらに採用される提案にするために必要なこと。
残る提案書はお客様担当者の上司とのやりとりがうまくいくことが前提となっていましたが、「採用される提案」は世の中(最終的な利用者)とそのお客様のやりとりに貢献できているかがポイントとなります。
だれのために、何のためにその電気設備を導入するのか、最初は省エネして電気代を下げることが目的であったかと思います。
しかし、お客様から省エネ以外の会社全体の様々な課題も聞き出すことで、例えば、その会社が製品品質の保持に問題があったとして、その問題をLED照明の導入によってどれくらい解決できるのか、今回のLED照明導入が会社全体にあるいくつかの課題解決にどう寄り添っているのかを見える化することがポイントです。
省エネへの貢献度は当然★5つです。 持続的高品質の確保への貢献度は★3つだとか、もっとみんな仲良くなりたいとい課題があったとして、その課題への貢献度は★4つといった視点で、ただの省エネためでしかなかった提案が、お客様全体の課題解決テンプレートを重ねたら、何倍にも価値が増します。 それがまさにお客様のことを考えていることだと思います。
第一話にも書きましたが、その提案が会社全体の価値を高めることにどれだけ貢献しているかというのが提案の価値です。
採用される提案は、会社全体の課題への解決視点があるものが採用される提案だと思います。
今やそれ以外は全て単なる見積書でしかありません。
電気設備の導入はお客様の本業の成長に必ず貢献すると腹にすえる。
実はこれが電気設備BtoB営業活動の成功の真髄だと思います。
お客様にすれば設備の投資はなんであれ、利益=キャッシュが増えることに最終的にはつながっていなければ、投資する意味はありませんよね。 会社の中で行われるすべての行動は利益の為以外のことは存在しません。休憩にお茶を飲むこと、鼻をかむことでさえ利益のためでしかないはずです。
その利益に到達するまでのストーリーをお客様と共に作る役割分担が多ければ多いほど、競合の攻撃を受けにくくなります。
お客様の前線に立つ人は、お客様の会社全体の課題を把握することが全ての始まりです。
最後までお読み頂きありがとうございました。