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好きだから続けられる。”あたりまえ”をつなぐ電気工事。

みなさんこんにちは、Ampの大久保です。
すばらしい電気工事業界の魅力を世の中につたえるのが仕事です。

今回はカッコいい電気工事士発信企画の中で、岩手県で活躍されている佐々木隼さんにインタビューをさせていただきました。

電気工事士を始めたのは「勉強したくなかったから」という理由からだったそうですが、現場を知り経験を重ねる中で変わっていった価値観や、業界への熱い思いについて語っていただけました。

岩手県で活躍されている電気工事士の佐々木隼さん。
電気工事技能競技全国大会 銀賞受賞や県からの表彰歴を持つ実力派で、第一種電気工事士をはじめ多くの資格を取得されています。
Instagramでは、真面目な仕事ぶりとは少しギャップのある(?)ラーメン愛が全開です。是非、チェックしてみてください。
Instagram:https://www.instagram.com/hayatosasaki98/

“やっててよかった”と心から思えた瞬間

――まずは、現在のお仕事について教えてください。

今は施工管理の仕事をしながら、現場にも出るという形で働いています。
もともと現場の仕事が好きで、今すぐにでも「現場に戻りたい」と思いながら働いています(笑)

――現場が好きということですが、特にやりがいを感じるときはどんな時ですか?

現場だと、自分の仕事が形として残るのが良いですよね。

特に印象に残っているのが、震災後の復興住宅を担当したときです。
後日、そこに住んでいる人たちの笑顔を見た時に「この仕事をやっていてよかった」と心から思いました。
“自分の仕事の先には、人の生活や笑顔がある”という実感が、今もこの仕事を続ける理由になっています。

きっかけは「勉強をしたくなかったから」

――素晴らしいです。佐々木さんがこの仕事を始めるきっかけはどんなところにあったんですか。

正直にいうと、最初は「勉強したくないから」というのがきっかけでした(笑)
とにかく早く働きたいと思っていたので、工業高校の中でも一番就職率が良い電気科を選んだのが始まりでした。

――きっかけのところでいうと「とりあえず」という感じだったんですね(笑)
でも、勉強は結構しないといけないですよね?

そうなんです、結局勉強なんですよ(笑)
だから、最初はやっぱり嫌でしたね。
やりがいを感じるようになったのも3年、4年目くらいだったので…

でも、現場で仕事をする中で、人の役に立つ実感や、やりがいを感じられるようになってくるんですよね。
今では、嫌だった勉強もこの仕事自体も、好きだから続けられているんだろうなと感じます。

生活を支えてくれている人がいるということ

――業界の現状について、感じている課題などありますか?

岩手という場所で見たときに、エリアが広いので現場も多いんですが、職人が圧倒的に足りていないと感じます。
どの現場に行っても「人がいない」という声が聞こえてきますし、県外から業者さんが入っていることも多いです。

最近では、工業高校の電気科も減ってきているみたいなので、これからの電気工事士をどうやって育てていくのかというのは課題だと思います。

――その課題に対してどんなことをやっていくのが良さそうですか?

進路を考える時期にある、中学生へのアピールとかをしていくと良いのかな?とも思いますが、これだけではきっと難しいですよね。
電気があって当たり前という感覚が一般的になっていて、その電気をつなぐ電気工事士という仕事を知らない人たちはきっと多いと思います。

電気はインフラのほとんどに関わるものなので、生活を支えている、それをつないでいる人がいるということに、もっと目を向けてもらえる世の中になると嬉しいですよね。

これからの電気工事業界

―課題つながりなんですが、「業界のここを変えていきたい」というような部分はありますか?

私には小さい子どもがいるんですけど、共働きで現場や管理の仕事をするのは、正直きついなと感じています。

私は1年間の育児休暇を取らせてもらったんですが、これって業界的にはまだまだ珍しいと思うんです。
でも、これが「珍しい」じゃなくて「当たり前」にしていきたい。
働きやすい環境があれば、この仕事を続けたいと思う人も増えるはずです。

そして、現場の教育のあり方にも変化は必要だと感じていますね。
昔ながらの「見て覚えろ」的な風潮があって、最初はきつかったです。

でもそこが変われば、もっと人が入りやすくなるし、いろんな人が活躍できる業界になると思っています。

まとめ

今回のインタビューを通して強く感じたのは、「電気工事士」という仕事が、私たちの生活の“あたりまえ”をつくり出しているということ。

それは決して目立つ仕事ではないかもしれませんが、誰かの生活が動き出す瞬間の裏側には、必ずその“つなぎ手”の存在があります。

「最初は勉強が嫌で選んだ仕事だった」というきっかけから始まったということでしたが、今ではやりがいを感じ、誇りを持って、そして次の世代の未来を思って行動している姿がありました。

“好きだから、続けられる”。

そんなシンプルで力強いメッセージが、これから電気工事の世界に足を踏み入れようとする人たちの背中を、そっと押してくれる気がしています。