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一度の仕事で二度喜んでもらえる電気工事を届けたい。

みなさんこんにちは、Ampの大久保 です。
すばらしい電気工事業界の魅力を世の中につたえるのが仕事です。

今回はカッコいい電気工事士発信企画の中で龍音(たつね)電気さんにインタビューをさせていただきました。
龍音電気さんには、「カッコいい電気工事士発信企画」の第9弾で掲載のご協力をいただいたのですが、企画を進める中でとても素敵なお話を聞かせていただくことが出来たので、みなさんにも共有していきたいと思います。

香川県を拠点に、住宅の新築・リフォーム・エアコン工事などを手がける龍音電気(たつねでんき)さん。
「目に見えない部分こそ丁寧に」をモットーに、日々の仕事に誠実に向き合い、確かな技術とこだわりで信頼を積み重ねている電気工事士です。
Instagramでは施工事例だけでなく、仕事への想いや反省点も発信されています。
Instagram:https://www.instagram.com/ryu00.03/

「一度の仕事で、二度喜ばせたい」

―早速ですが、お仕事内容について教えてください。

主に住宅関係の電気工事を行っています。
屋内の配線だけでなく、外構の照明工事など、家まるごとを明るくする仕事です。

―仕事をするうえでの「こだわり」などはありますか?

目に見えないところこそ丁寧にしたいと思っています。
工務店の立場からすると、「なん千棟のうちのひとつ」という見方もできるので、「そこに多くの時間はかけてられない」という人もいるかもしれないんですけど、お客さんからすると一生ものの買い物だと思うんです。
だから、私としてはお客さんの立場に立って、お客さんに喜んでもらえる仕事ができるように心がけています。

―目に見えない部分のこだわりは、お客さんから評価をいただく場面や、感謝される場面も少ないと思うのですが、その姿勢を維持するモチベーションのようなものはあるのでしょうか。

たしかに建物の裏側にある配線などは、普段は目に見えないものだし、もしかするとこれから先もずっと目にしない可能性もありますね。
私の感覚としては、もしこれから先でお客さんがリフォームをするとなったときに、「前の電気屋さんが綺麗な仕事をしてくれている。と思ってくれたらいいかなあ」くらいの気持ちでやっているんです(笑)

まず、目の前の仕事で喜んでもらうということは大前提にあるんですけど、その先で二回目喜んでもらえる機会を提供できたなら、「あの人に頼んでよかったな」なんてことを思ってもらえるかもしれませんよね。

なので、普段は目にしない部分でも、それを丁寧に仕上げることには意味があると思っています。
それが直接私に返ってこなかったとしても、私の仕事でお客さんに二度喜んでもらえるような状況をつくれたなら、それだけで価値があると思うんです。

たくさんいる業者さんや職人の中から自分を選んでもらったことに対して、満足してもらえる仕事を提供したいという気持ちが大きいんですが、「一度の仕事で二度喜んでもらえるような仕事ができたらいいな」という気持ちでやっています。

評価や効率ではなく、“人の想い”を大切に

―将来的なお客さんの満足まで考えて取り組まれているわけですよね…。「直接それが自分に返ってこなくても問題ない」というところに、龍音電気さんの精神を感じました。

とはいえ、私のようなスタイルは結構好みが分かれると思っています(笑)
工務店の立場で見ると、利益重視の考え方が普通なので、綺麗に配線したりとか「目に見えないところにこだわりを持つとかいうことはしなくてもいい」という考え方が割と一般的なのかなと。

ただ、私の考えとして、工務店のための仕事ではなく、お客さんのために仕事をしているというのが一番大きいんです。
他の大工さんとか、電気屋さんからどう見えるかとかよりも、自分の提供できる一番のものを届けて「お客さんにいい想いをしてもらいたい」という気持ちが強いんですよね。

―素晴らしいと思います。一般的な感覚として「評価や見返りがあるから頑張れる」みたいなことはあると思うんですが、「お客さんの満足だけを一心不乱に追求する」ということは、なかなか実践できるものでは無いんじゃないかと感じました。

私にとっては「誰かが認めてくれるから」とか「誰かが見ているからちゃんとやる」というものでもないんです。
評価を目的としているわけではなくて、これから先で「お客さんが二度喜べるきっかけになればいいなあ」とか、「気付いてもらえたならよかった」くらいの感覚なんですよね(笑)

だから、そこに見返りがないから続けられないというようなものでもなくて…
自分の仕事として、あたりまえのものという感覚で向き合っている感じですかね。

SNSを通じて、次世代にエールを

―Instagramの投稿を見させていただいたんですが、「綺麗な仕事の写真」と「その仕事における反省点」みたいなものを投稿されていて…ここの意図みたいなものはあるんですか。

そうですね…自分の投稿で、若い子の背中を押せたらいいなとは思っています。
私が若い頃、「見て覚えろ」とか「お前にはできん」とかそんな風に言われたりして、「この業界には若い芽がつぶされているような現状がある」と感じていました。

結局のところ、それが「できるかできないか」ではなくて、その人が「やりたいかやりたくないか」が大事だと思うんですよね。

たとえば私には親方もいなくて、独学で勉強して、みんなのいいところを寄せ集めるような形で成長してきたんですけど、「こんな僕でもできるようになったんですよ」というのを、いろんな人に見せてあげられたなら、若い子たちの背中を押せるんじゃないのかなと思うんです。

最初からすべてうまくできる人はいないわけで、私の背中をみて「自分にもできるかも!」というような気持ちになってもらって、若い人たちが羽ばたいていく手助けができたらいいなと思いますね。

―素晴らしいです。最後にこれから業界に入ってくる人に対してメッセージなどがあればお伺いしたいです。

電気屋さんは、お客さんと近い距離で関わる機会が多いです。
新築を立てるとなったときに、最初の打ち合わせから引き渡しの最後までお客さんに関わることができるので、直にお客さんの喜ぶ姿とか反応に触れることが出来るんですよね。

お客さんの喜ぶ姿というのは特にやりがいを感じられる部分で、電気工事は空間をつくることで人の幸せを作る仕事だということを、いろんな人に知ってもらいたいなと思います。

まとめ

龍音電気さんの姿勢には、「自分に正直でいること」「目立たない部分こそ丁寧にする」といった、確かな仕事の哲学が詰まっていると感じました。
その想いに従いながら日々の電気工事に向き合う姿は、まさに“カッコいい電気工事士”そのものです。

電気工事業界にはまだまだ課題も多くあります。
それでも、今の世代を引っ張る職人たちが、自らの背中で可能性を示し、「この仕事って、こんなに楽しいんだよ」と伝え続けていけば、業界の未来もきっと変わっていくはずです。

この記事を通じて、「自分もやってみたい!」と感じてくれる人が一人でも増えたなら幸いです。