
プロ電工の挑戦は終わらない。未来を耕す授業という選択
みなさんこんにちは、Ampの中村です。
すばらしい電気工事業界の魅力を世の中に伝えるのが仕事です。
電気工事の魅力を子どもたちへ伝える出前授業。
その第一線で活躍しているのが、Ampが応援する「スポンサードプロ電工」の一人、小谷忠司さんです。
保育士から電気工事士へと転身し、今では小学校などで職業体験授業を自社で企画・実施するまでになった小谷さん。
実は今回のインタビュー、小谷さんから『フジ矢さんと小学校で出前授業をしました!』と連絡をもらったのがきっかけでした。
スポンサードプロ電工をきっかけに生まれたつながりが、次なるアクションを生む。
まさに、プロジェクトが目指す理想のかたちです。
今回は、小谷さんの“その後”の取り組みや、スポンサーいただいたフジ矢さんとの協働によって広がる可能性についてお届けします。
株式会社 小谷電気商会 代表 小谷 忠司さん
若い世代の人たちに電気工事業界の魅力を伝えるため、小学校へ出前授業を行っています。▼株式会社 小谷電気商会のHP▼
株式会社小谷電気商会 大阪市生野区 電気工事 空調設備 照明リフォーム コンセント設置 エアコン設置▼小谷さんのInstagramアカウント▼
小谷 忠司(@kotaden215) • Instagram写真と動画
スポンサードプロ電工とは?
「企業からスポンサーがつくようなカッコいい電気⼯事⼠になりたい!」そんな、電気⼯事⼠の憧れをつくるプロジェクトです。
電気工事業界の「憧れ」をつくる「公式スポンサードプロ電工」|日本全国「電気工事の人」|プロジェクト | 電気工事業界特化型メディア「Amp」
「知ってもらう」ことが、業界の未来につながる
──まず初めに、出前授業を始めたきっかけについて教えてください
同じ電気工事の組合に所属している方が、子ども向けのイベントを紹介している記事を見たのがきっかけです。
商店街のイベントで、子どもたちに電気の体験をさせている様子の記事を見て「面白そうだな」と感じました。
その方に思い切って「大阪でも同じことをしてもいいですか?」と連絡したところ、快く「ぜひ!」と返事をもらえて、すごくうれしかったのを覚えています。
最初は組合の青年部で出前授業を行っていたのですがコロナ禍で中断も多く、有志の集まりだとどうしても人数が集まらないこともあって、「だったら、もう自分の会社でやってみよう」と決めたんです。
──その時点で「これは業界の未来のためになる」と考えていましたか?
その時点では「楽しそう」って気持ちが大きかったです。
でも実際にやってみると、「子どもたちにこの仕事を知ってもらうことって、すごく意味があるな」と感じるようになりました。
「電気屋さんって知ってる?」と尋ねると、家電量販店の名前が返ってくることが多いですね。
大工さんのように目に見える形ではなく、“見えない”ところで働く電気工事の仕事は子どもたちにとってイメージしづらいのかもしれません。
──たしかに、暮らしを支えている大事な仕事なのに目に見えづらい部分が多いですよね。
だから、「こういう仕事があるよ」「こういう人たちが関わってるんだよ」という“種”を早めにまいておくことが大事だと思ったんです。
高校生になるともう進路が決まりかけているので、もっと若い世代である小学生のうちから「電気工事士っていう選択肢もある」と知ってもらいたいので・・・
──授業ではどういう風に電気工事のことを教えていますか?
教室の照明や廊下の配線など、身近な例を挙げて「実はこれ、電気工事士がやってるんだよ」と伝える他に高所作業車に乗ってもらったり、僕らが使っている腰道具を実際に持ってもらったりします。
「うわ、重たい!」と言う子もいれば、「こんなん軽いわ!」と笑う子もいて、反応は様々です。
他にも鉄管を曲げてもらったり、太いケーブル(CVTの325sq)を持ってもらったりして目に見えない電気の仕事を“手で感じてもらう”工夫をしています。
広がる“つながり”が、想いを届ける
──フジ矢さんと一緒に授業をされることもあるんですよね?
フジ矢さんには、工具の切り比べ体験やペンチ・ニッパーを作る工程の話をしていただいています。
僕は電気工事の話に集中し、フジ矢さんは「ものづくりの面白さ」を伝えてくれる。
この分業によって、子どもたちには電気工事士だけじゃなくて工具を作る人、実際に現場で工事をする人……そうした「電気工事に関わるすべての人」との“つながり”を感じるきっかけになっていると思います。
さらにいえば、プロ電工としてフジ矢さんのような企業と一緒に活動することで、「自分たちの仕事は、社会全体とつながっているんだ」と子どもたちが実感できることにも価値があると感じています。
──フジ矢さんと一緒にできてよかった点は何ですか?
自分ひとりでは挑戦する範囲にも限界があったと思います。
僕では子どもたちに「ものづくりの過程」を説明することはできませんし、限られた時間で電気工事業界に関わる人たちのつながりを子どもたちに理解してもらうことは、難しいと思います。
だからこそ、スポンサードプロ電工に選ばれてから、フジ矢さんとAmpさんとつながれたことは大きくて、一緒に取り組むことで、伝えられる内容や届く範囲も広がりました。
活動の輪が広がるたびに、「誰かの心に届く瞬間」が増えていると実感しています。
――出前授業のあと、子どもたちから感想文が届くそうですがどんな気持ちで読んでおられますか?
しっかり話を聞いてくれていたんだなと感じる子が8割くらいで、残りの2割くらいは「そこ、説明したんだけどな〜(笑)」と思うこともあります。
でも、それもまた微笑ましくて毎回フジ矢さんと一緒に楽しく読ませてもらっていますね。
「楽しかったです」や「高所作業が怖かったです」など感想の言葉はいろいろありますが、どれもその子一人ひとりの思いが詰まっていて、本当に素敵な文章ばかりです。
「電気工事ってカッコいい」「また来てほしい」――そんなふうに書いてくれる子がいるだけで、「自分のやってきたことに意味がある」と感じられる瞬間でもありますので、全部が僕の宝物ですね。
興味の種をまいて業界の土壌を耕す
──この出前授業の活動を通して、業界にどんな変化を期待しますか?
僕がやってることは、“今すぐ採用につながる活動”ではないと思っています。
でも、小学生のうちから「こんな仕事があるんだ」と知ってもらえれば、その子の中に“興味の種”がまかれると思うんです。
それが将来、職業を選ぶタイミングで芽を出して「電気工事士になりたい」と思ってもらえたら業界の未来を変えるきっかけになると思うんです。
──それは「業界に投資している」という視点ですね。
そうなんです。
だから、今はその土壌を耕しているフェーズですね。
その先に芽が出るかどうかはわからないけど、プロ電工という肩書きがあるからこそ自信を持って続けていけます。
そして、Ampさんとフジ矢さんが一緒に歩んでくれているから僕はこの活動をAmpさんにお話ししたり、SNSなどで「業界の未来づくり」として語れるようになりました。
この記事や僕のSNSを通して真似してくれる人が増えたら嬉しいし、「こんなアプローチの仕方もあるんだな」と業界の皆さんにも新しい気づきになればいいなと思っています。
インタビューを終えて
小谷さんの取り組みは、業界の魅力発信という点で私たちAmpとしての目的でもあります。
「個を支えることで、業界全体の可能性を広げたい」
それが、スポンサードプロ電工というプロジェクトの原点です。
小谷さんの背中を通して、「電気工事ってかっこいい」と思う子どもが生まれ、その種が未来で芽を出す。
その瞬間を信じて、私たちAmpはこれからも「スポンサードプロ電工」の挑戦を応援していきます。
小谷さんお忙しい中、インタビューにご協力いただきましてありがとうございました。