
電気工事は、お客様の”資産”をつくる仕事だ。
みなさんこんにちは、Ampの大久保 です。
すばらしい電気工事業界の魅力を世の中につたえるのが仕事です。
今回はカッコいい電気工事士発信企画の中で斉藤電工さんにインタビューをさせていただきました。
斉藤電工さんには、「カッコいい電気工事士発信企画」の第7弾で掲載のご協力をいただいたのですが、企画を進める中でとても素敵なお話を聞かせていただくことが出来たので、みなさんにも共有していきたいと思います。
斉藤電工 さん
秋田県で電気工事士をされています。
斉藤電工さんの運用されているInstagramアカウントでは、実際の作業風景や細かいテクニックが分かる投稿が満載で「電気工事ってカッコいい!」と思える内容ばかりです。
これから電気工事士を目指す人もすでに働いている人も、学びの多いアカウントだと思うので、是非チェックしてみてください!
Instagram:https://www.instagram.com/saito_denko/
※本人のご希望により、個人情報に関わる部分を一部伏せて掲載させていただいております。
“後戻りしない仕事”をするために、「なぜ」で向き合うことの大切さ。
―早速ですが、具体的なお仕事内容を教えていただいても良いですか。
建物内の電気配線や設備を整える仕事をしています。
具体的には、建物にキュービクル(変電設備)を設置して、そこから配線を引いたり、照明や電気設備を取り付けたりするのが主な仕事です。
―ありがとうございます!電気設備全般を担当されているということですね。
斉藤電工さんが普段のお仕事の中で意識されていることはどんなことでしょうか。
そうですね…特に意識していることは、仕事の中で”後戻り”が無いようにするということです。
どんなに時間がないときでも、ミスが起きないように丁寧に作業をするとか、二度手間、三度手間をなくすようにすることが、結果的に効率よく仕事をすることにつながると考えています。
―仕事の”後戻り”を減らすために、工夫されていることなどはありますか?
仕事の中で「なぜ」という感覚を大切にして、目の前の作業の意味を考えながら取り組むようにします。
「どうしてこの手順なのか」、「なぜこのように作業する必要があるのか」などを、自分でしっかり考えながら取り組むというような感じですね。
その作業の中にある”理由”を明確にしておくことで、次に同じような作業をするときに応用することができるので、仕事の中に「なぜ?」を持つことは新人にも意識して伝えるようにしています。
―”やり方を覚える”というより、”構造を理解する”という感覚に近いかもしれませんね…!
それを意識するようになったきっかけは何かあったんですか?
私がまだ新人だった頃、現場を任される機会があったんですが、その時に出会った職人さんがすごく効率的に作業を進められていたのを見て「段取り一つでこんなにも仕事のやりやすさが変わるのか…!」という風に感動したんですよね(笑)
ひとことに”仕事”といっても、人によっていろんなスタイルがあると思います。
「ただ目の前の仕事が終わればいいや」という人から、綺麗にやる人、丁寧にやる人、効率よくやる人…
本当にいろんなスタイルがあると思うんですが、これまでいろんな人のスタイルを肌で感じてきて「あ、こうすればうまくいくんだ」とか「こうすれば効率よく仕事をすることができるんだ」というような気付きがたくさんありました。
私の場合、割と早い段階でそういうことを気付かせてもらえるような環境に居れたことが大きくて…。
いろんな人の仕事を見たり、仕事を学ぶ機会に恵まれていたので、「仕事のやり方は一つじゃない」ということに気が付きましたし、「こういうやり方の方がよくない?」みたいな発想を、自分の中に持てるようになったことがありがたかったですね。
「技術は学び、伝えるもの。」
―なるほど…もしかするとInstagramで仕事のテクニックやノウハウ関係を発信されているのは、「その気付きをいろんな人のために役立てたい」というような気持ちからスタートしているのでしょうか?
自分が業界に入りたての頃、電気工事でわからないことがたくさんあったんです。
ネットで調べるにしても「どうやって調べたら自分の知りたい情報に辿りつけるんだろう…?」というモヤモヤをいつも抱えていたんですよね。
自分自身が新人の頃そんなことを感じていたので、自分のわかる範囲とか自分ができる範囲にはなるんですけど、これまで自分が身に着けてきた技術とかを「仕事でわからないことがある人のために役立てられたらいいな」と思って始めたんです。
―すごく素敵な取り組みだと思います!
“技術の習得”は新人の方にとって、一つのハードルになると思いますが、「斉藤電工さんのアカウントを見ればやり方が知れる」というのはこれから業界を志す人にとって、とても心強いことだと思います。
私は時代の変化に合わせて、仕事を身に着けやすい環境を整えていきたいと思うんです。
今の若い人たちはインターネットなどで情報収集するのはすごく得意で、それこそSNSやyoutubeなんかで「この仕事はどうすればうまくいくのか」という情報は手に入れられると思うんですけど、実践する機会は極端に少ないと思うんですよね。
ベテランの職人さんからすると「新人には怖くてやらせられない」というような感覚になるかもしれないんですが、「仕事はやらないと覚えられない」と私は感じていて…。
もちろん「見て覚える」ということは大事なんですが、その上で実践する機会を今の現役世代が若い子たちのために作ってあげられたらいいなと思います。
頭ではわかっていても実際にやってみたらうまくいかないということは、私自身新人の頃よく感じていたので…
昔とはいろんなことが変わってきているので、業界全体でこれからの世代のために、仕事が覚えやすくなる手助けをしていかないといけないんじゃないかな?と思うんですよね。
―自分たちが大変だと感じたことを、これからの世代のために改めていくというか…、いろんな人が業界に入ってきやすいように、ここから環境を整えていく動きは大事ですよね!
電気工事は、お客様の”資産”をつくる仕事だ。
―最後に斉藤電工さんが感じられている仕事の魅力をお聞きしても良いですか?
やっぱり電気がつく瞬間が一番楽しいですね。
「あぁ、終わったなあ。」という達成感を一番感じられる瞬間なんですけど、電気がつくその瞬間を迎えるまでの、大変なことや楽しかったことを一気に振り返る場面だったりもして…電気工事の楽しみが詰まっている瞬間だと思います。
私たちがやっている仕事は、最終的にお客さんの資産になるものなんですよね。
だからこそ自分のできる限りの仕事をしたいと思うし、あとから自分がその仕事を目にしたときに、綺麗な仕上がりだと自分の仕事に自信が持てると思うんです。
新人の頃はできないことばかりで嫌になることもありましたけど、だんだんと、少しずつ、いろんなことができるようになってきて…
次第に自分でも満足のいく仕事ができるようになってきて。
電気工事の世界は、自分がそれまで知らなかった世界だから、わからないことがたくさんあるのは当然なんですよね。
でも、それは”これからできるようになることもたくさんある”ということだと思うので、そういう意味では電気工事は自分の可能性を広げたり、やりがいや楽しみがたくさん待っている仕事だと思っています。
インタビューを終えて
考え抜き、工夫し、より良い仕事を追求する。
斉藤電工さんのお話では、そんな職人魂を強く感じました。
業界の課題を感じて、そこに対して個人でなにかを変えようと行動されていることはとても素晴らしいことだと思います。
こうした想いを持った「カッコいい電気工事士」が増えれば、業界の未来はもっと明るくなるはず。
ささやかではありますが、少しでも電気工事業界の未来を明るくするために努めていきたいと思います。