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「電気工事は生きがい」25年のキャリアが語るプロの仕事観。

みなさんこんにちは、Ampの大久保 です。
すばらしい電気工事業界の魅力を世の中につたえるのが仕事です。

今回はカッコいい電気工事士発信企画の中でTICK TACK TECH(チックタックテック)の地藤さんにインタビューをさせていただきました。
地藤さんにはカッコいい電気工事士発信企画の第6弾で掲載のご協力をいただいたのですが、企画を進める中でとても素敵なお話を聞かせていただくことが出来たので、みなさんにも共有していきたいと思います。

TICK TACK TECH(チックタックテック)地藤さん
Instagramアカウントでは、工具の使い方や工事に関する技術や知識だけではなく、経営者思考が身につくようなためになる情報発信をされています。
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父から学んだ“本当の仕事”の意味

―この度は企画へのご参加ありがとうございます!早速なんですが、地藤さんがお仕事をする上で大切にされている考えなどがあれば教えていただきたいです。

「考え」というか、むかし父親から言われた話が仕事を考える上ですごく頭に残っていますね。

毎日8時に出社して17時まで一生懸命働いて20万円もらうのと、毎朝8時に出社して17時まで会社にただ立ってるだけで40万円お金がもらえるならどっちがいい?

という風なことをある時、聞かれたんです。
何もせずにお金がもらえるなら、初めはそれを望むかもしれないけど、辛いこととか、楽しいこととかを経験した上でお金を稼いだりすることが人生なのかな?と思うんですよね。

―”仕事”というのはただ単に「お金をもらうためのもの」ではないという感じでしょうか。

会社に来て怒られも褒められもせず、ただ立っているだけでいつもより倍の給料がもらえるなら、お金の面だけで考えたら「いい条件だ」と感じるかもしれませんよね。
でも、私はその質問受けた時に「仕事ってなんなんだろう…?」ということを感がるきっかけになったんです。

私は人として生きていく中で、いろんなことを経験したり覚えたりすることってとても大事なことなんじゃないかな?と思うんですよね。
仕事って辛いこともあるししんどいことも多いですけど、誰かから必要とされる経験とか、そこから感じられる達成感とか充実感とか…。
その上でお金をいただくことが、”仕事”なのかな?という風に思ったんです。

なので仕事の哲学というか…、”仕事”を考える上で土台部分にあるのは、こういうところなんだと思います。

―電気が人の生活に密接するものだからこそ、誰かから必要とされたり、ご自身のお仕事の重要さをすごく実感できそうですね…!

もちろんお金のために働くということはあるんですが、私自身の考えとしては、お金よりも”自分の生きがい”という部分が多くの割合を占めているように感じます。

生活をするためにお金は必要ではあるんですけれど、「地藤さんに来ていただいて、困りごとが解決しました!」とか「おかげで素晴らしい施設になりました!」とか、そういうお褒めの言葉をいただく経験というのは、仕事だから得られるものだと思いますね。

「自分の仕事が誰かの役に立った」という感覚とか、お客さんからもらった「ありがとう」とかが、電気工事をしていてよかったなと思う瞬間で、それは間違いなく私の生きがいになっています。

―”感謝”される瞬間っていいですよね。体の内側に広がっていく感覚というか、これは私もお金では買えないものだと思います。

電気工事の魅力とは?

―先ほどのお話もそうなのですが、地藤さんが感じる電気工事の魅力について教えていただけますか?

私が電気工事に携わっていて誇りに感じるのが、“人の生活に必要不可欠なところに携われる”というところなんです。
それは水とか医療とかもそうなんですけど、それが無くなってしまうと本当に困ってしまうような、人の生活の土台部分を支えているというところだと思うんですよね。

それは体が不調になったときにお医者さんに行くように、「電気に関するお医者さん」っていうくらいの気持ちで仕事をしています。

電気工事はこれからもきっとなくてはならないものだと思うんです。
たとえAIの技術が進歩しても、AIに取られるような仕事でもないと思うし、電気を必要として使う人がいる限り私たち電気工事士は必要とされ、人々の生活を支えていかなければいけない使命があると感じますね。

これからの電気工事業界をどう変えていく?

―電気は私たちの日常にとって”あたりまえ”のような存在になっていますが、”それをあたりまえにしてくれている人がいる”ということを改めて実感しました。
最後にこれからの電気工事業界を良くするためにはどうしたらいいか、地藤さんのお考えを聞かせていただけますか?

時代や世代の変化とともに、働き方が大きく変わってきているなと感じます。
電気工事業界においては、女性の雇用促進や、高齢者(60代・70代)の「もっと働きたい」という意欲を受け止められる環境づくりが重要だと感じていて…。

老後の不安を抱える方々が、経験や能力を活かして働ける仕組みを整備することが、この業界の課題解決につながると思います。

特に書類作成や図面作成、各種届け出業務など、現場作業以外のサポート業務に着目すると、テレワークなどを活用して女性や子育て中の方々が柔軟に働ける環境を整えることで、業界全体の発展に寄与できるのかな?とか。

OB(定年後のベテラン技術者)の働き方についていえば、脚立作業のような身体に負担がかかる業務は避けつつ、長年の経験や技術、現場対応力を若手に伝える「教育係」として活躍してもらうことで、安全かつ効率的な働き方が実現できると考えています。
このような役割分担は、ベテランの方々にとっても働きやすく、意義のあるものになると思いますね。

―スキルや経験を活かして現役世代をサポートしてもらうという感じですね…!素晴らしいと思います!

現状の課題として、40代を中心とした世代が現場作業と人材育成に加えて、書類作成や図面作成なども担っているのでかなり負担がかかっていると思います。
こういった業務を分担化・マニュアル化することで、現場担当者が現場作業に集中できる環境を整えられると考えます。

あとがき

電気工事士として25年のキャリアを持つ地藤さんからは、仕事に対する熱い想いと誇りを感じました。
「生活の基盤を支える」という電気工事の意義を改めて感じましたし、多くの人にその魅力が伝わればと願っています。