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職人さんが辞めない会社の社長に話を聞いてみました。

みなさんこんにちは、
Ampを主宰するイーエンジニアジャパン代表理事 藤田勝彦です。
すばらしい電気工事業界の魅力を世の中につたえるのが仕事です。
兵庫県で電気屋さんを経営しています。

 

リモートワークがどんどん進んでいるので、オフィスがなくなると思いきやもうオンライン会議限界です・・という声も聞こえてきたり。。。
私も最初は珍しくて楽しかったですが、多い人数での会議だと難しいことも出てきますね。
3人くらいまでですと、移動必要ないし、個室ならマスクもいらないし、共有する書類も見やすいし、オンライン打ち合わせ最高だと思います。
移動が無いのをいいことにインターバルを入れずに予定を入れがちなのは注意が必要です。

さて、昨年に家でテレビを見ていて、ある会社の社員さんが出演されていたのを見てすぐ会いたいと思い、取引銀行の担当さんにお願いして、うすーい関係ながらなんとかつないで頂いて、会いに行かせて頂いたお話です。
私はたまにこういうこと思いたったらしてしまうんです。。

そのテレビ番組は、NHKのサラメシという、働く人のランチを紹介する番組です。
そこで今回訪問させて頂いた株式会社ナルトシザーの社員のみなさんのランチをその働きぶりなどを交えて紹介されていました。

きっかけ

株式会社ナルトシザー 様は美容・理容業界向けの高級ハサミ(プロ用ハサミ界のベンツと言われている)を製造するメーカーで後に私の長年お世話になっている美容師さんに聞けば、長年利用しているとのことでした。
そして憧れのハサミだそうです。

私は、ランチもおもしろかったのですが、紹介される社員さんたち(職人さん)が全て20代~30代さらには、職歴も結構長く、いきいきと働いておられる様子が気になって、なぜこの会社のみなさんは若い職人さんが辞めないんだろうと思い、電気工事業界のヒントになるのではないかと、社長にお会いしたくなったというのがきっかけです。

銀行さんを通じてのアポイントに対して、快くOKを頂いて長谷川社長にお会いさせていただきました。
たまたま私の会社からそう遠くない隣の宝塚市に本社工場があり、まさにテレビで見たその場所でした。

色々とインタビューしたい質問事項など準備し、どんな社長さんなのかなあと思いながら(その番組では社員さんだけが出演されていました)訪問させて頂きました。

なぜ現場の職人さんが辞めないで長く続くのか

長谷川社長には、まず私が今日訪問に至ったお話をさせて頂いた上で「とにかくなぜ現場の職人さんが辞めないで長く続くのか教えて頂きたいです!」とストレートにお願いをしました。
ところが、社長はこれといった理由が特に浮かびませんとおっしゃりながら、なんとなくこうかなという感じでおはなし始めました。

仕事として新しいハサミを製造販売すると同時に、年に約1万5千丁のハサミが研ぎ再生依頼が全国の美容師さんから依頼があります。

その際、荷札のような誰の依頼かがわかるタグをハサミにつけて送って頂くことになっていて、そのタグの裏に美容師さんからメッセージが手書きで記載されていることが多々あります。

そこには、「さすがナルトシザーのハサミは素晴らしい!これからもよろしくお願いします」といった熱狂的なファンであるお客様のコメントが書いてあったり、少数ですがお叱りのコメントも、職人さんにとってそのタグに書かれたメッセージでお客様のリアクションを直接感じることができ、それがやりがいにつながっているのではないかと思います。

 

それに続けて
現在はそういったお客様の声を部署に関係なく全員で共有する仕組みを構築するため、社内に「見える化委員会」を立ち上げ、社員(工場内の職人さんも)全員スマホ、グループウエアの導入、日々のお客様の声などをすぐに共有し日々の行動やビジョン理解に活かしていくことを行っています。

とお話頂きました。

 

インタビューを終えて

私は、色々と社員の皆さんを離さない様々な仕掛けがあって、そのノウハウを色々お聞きしたいという思いでしたが、書ききれないお話を様々お聞きしても、社員さんが辞めない理由はとにかくシンプルで「お客様のリアクションを直接感じる仕組み・環境」につきるのではないかという私なりの結論にいたりました。

長谷川社長が他の何かと比べて、色々な理由を散りばめようとせずシンプルに
それを守られてこられたのが一番大切な部分とも感じました。

「シンプルな理由」が手帳のように社員のみなさんの胸ポケットに いつも入っているような感覚でしょうか。 いつでも見られる、それを確認することになるという意味です。

会社の良さはどんな社長がこんなにいいよ!と言うよりも
お客様から伝えられるのが100倍心に刺さるのではないかと思いました。

今回の訪問の後
私たちの業界にもその「仕掛け」が必要と感じ、このITの世の中なのでいくらでも方法があるかと思いますので、遠かった「お客様の声」を近づけることで「職人さんが育つ」という設定で何か形にしてみたいと思います。
と、お礼メールを綴りました。

建物一つとっても私たちは電気工事という新築建物工事全体のほんの一部を請け負っているにすぎません。
なかなかお客様の声を聴くことができない業種のように思います。
後のメンテナンスや施工中の破損防止に配慮された、美しくまっすぐな配線も、天井ボードが貼り終わったら誰の目にも触れることはない、私たちの建物に対する気持ち伝えられるといいなと思います。

最後に

これから電気工事の現場に携わる若い人たちに何かの形で、それぞれのレベルで頑張ったことがお客様の声・気持ちとつながる仕組みができると、モチベーション保っていけるように思いました。
建設DX(デジタルトランスフォーメーション)は効率化も必要ですが、こういった部分にもつながればいいなぁと。
Ampの活動を通して業界外の様々な方にも応援頂いて何か形にしてみたいです。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

株式会社ナルトシザー 様